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研究紹介

本研究室ではセメント・コンクリートについて、正確な劣化予測やカーボンニュートラルを目差し、様々な観点から研究を行っています。

水掛かり

超音波

気象

空隙

機械学習

腐食

構造物各部位の水掛かりの調査と中性化深さによる評価

森山涼

 コンクリートの劣化要因の多くには水が関係しており、構造物の各部位に対する水掛かりを正確に把握することが効率的な維持管理につながります。
 本研究では水掛かりの評価手法として薄板モルタル供試体の中性化深さによる方法を検討しています。中性化深さは相対湿度が大きいほど進行しにくくなるので、中性化深さの大小から水掛かりの程度を推定することができます。
大学での実験はもちろん、実際に使われている橋梁に測定をしに行くこともあります。

2025

混和材を用いたセメント硬化体の屈曲度評価
およびシミュレーション

藤田直樹

 コンクリートは時間とともに劣化するので、補修工事をする必要があるのですが、コンクリートは環境やどんな材料を使うかによって劣化の具合がとても異なります。現在もたくさんのコンクリート構造物がある中、新しく構造物を作ると、すべての構造物の劣化の具合を確認していくのは大変です。そのため、あらかじめ劣化を予測することができないか研究をしています。中でも、コンクリートの材料の1つである混和材に着目し、混和材を用いた場合と用いない場合のコンクリートの内部の構造、特に屈曲度という、内部に劣化の原因となるものがどれくらい入りやすいかを示す値をシミュレーションで求める研究をしています。

2025

炭酸化したセメント硬化体の空隙構造評価

山崎陽斗

 コンクリート及びセメント硬化体は目に見えない大きさの空隙が無数に存在し、この空隙構造によって劣化への抵抗性といった物質移動性状等が変化します。私の研究では、この空隙構造をモデル上で再現し、セメント硬化体全体の空隙径分布といった空隙構造を解析的に推定します。さらに、空気中のCO2とセメント中のCaの反応である炭酸化の影響やそれに伴う粒度分布の変化をモデルに反映させ、相対湿度や炭酸化条件の違いに応じた空隙構造の変化を再現します。最終的には、実験が困難な条件下でも空隙径分布や耐久性を予測できモデルの確立を目指しています。

2025

GISを用いた橋梁の劣化機構の分析

土門瑞生

 コンクリート構造物の劣化機構には、塩害、中性化、アルカリシリカ反応、凍害、疲労など多くの種類があり、これらは気温や降水、湿度、飛来塩分など、様々な環境要因が複雑に絡み合って引き起こされています。そして環境要因は地域によって異なるため、コンクリート構造物の劣化は局地的に起こっているといえます。私の研究では、コンクリート構造物の劣化をより正しく把握するため、GIS(地理情報システム)を用いて各劣化を地域ごとに再現、分析し、実際に発生している劣化と比較することで、どの劣化機構がどれだけ総合的な劣化に寄与しているかを評価しています。各劣化機構の寄与度を明らかにすることで、より無駄なく効率的な維持管理ができるようになると考えています。

2025

超音波を用いたコンクリートの品質評価

古澤潤

 近年の急速なコンクリート構造物の劣化進行に伴い、非破壊でコンクリート構造物の品質を評価することが重要となっています。
超音波は、構造物に対し探触子を当てることで、波の速度を測定します。弾性波動論から非破壊材料評価を行っていきます。これまでの研究で超音波が構造物をどうのように伝搬しているのかについて検討を行いました。
私は実験と解析を用いて研究をしています。橋梁での調査も行っており、現場に行くこともあります。

2025

マクロセル腐食解析の高度化と補修設計基準の提案

池田匠汰

 塩害で劣化したコンクリート構造物を補修すると、鉄筋の腐食を加速させてしまうことがあります。これはマクロセル腐食によるものであり、補修を行う際はこのマクロセル腐食を考慮した補修設計が必要です。しかしマクロセル腐食は補修条件や環境条件に大きく影響を受けるためその挙動は複雑であり、効率的な補修を行えていないのが現状です。私の研究ではマクロセル腐食解析を用いて様々な条件下でのマクロセル腐食をシミュレーションし、その結果から効率的な補修設計基準を提案することを最終目的としています。

2025